明るく邪気の無い笑顔を誰彼構わず振る舞うお前。
 どうしてお前はそんなにも無防備なんだろうか。
 目が眩む程、眩い光をたたえながら真直ぐに生きようとする様を見ると、何故だろう…とてつもなく凶悪な感情が鎌首をもたげるではないか。嗚呼、堕としてみたい。その時お前がどんな風にその表情を歪めるのか。その瞬間どういう風に変化するのか。嗚呼、試さずにはいられない。
 なんという甘美なる誘惑。
 嗚呼、試さずにはいられない。
 喰らい尽くしてしまえばもう愉しめない。
 それではいつまでも、俺は空腹のまま満たされない。
 
 
    [嗚呼、傲慢なりし捕食者よ]
 
 
 なんという偶然。なんというチャンス。
 影時間に保護した哀れなる雛鳥。
 傷付き、弱りきったその翼……。
 このまま大事に、大事に、ゆっくりと癒してあげようか?
 逃げないように切り取り、閉じ込めてしまおうか?
 いや、今すぐ牙を突き立て食い千切り、欲望のままに咀嚼しようか?
 
 嗚呼、嗚呼ッ!!まずは心行くまでその身をしゃぶり尽くそう。
 
 
 恐慌状態に陥った伊織に、そっと…薬を含み口付ける。
 医療用に開発された精神退行薬。主にレイプなど、凶悪な欲にさらされどうしようもなく傷付いてしまった患者の治療にも使用される。前向きなる忘却を助ける薬。
 生きようとするお前の本能がそうさせたのだろうか?
 俺の思惑など関係無しに、雛鳥が親鳥に餌を求めるように、薬を欲し俺の中へと分け入ってくる。嗚呼、たまらない。俺は、薬を求め彷徨う舌をあざ笑うかのように弄ぶ。それでも必死で吸い付いてくる伊織に、口腔内で溶けてゆく薬を時間をかけて与え続けた。
 すべてを与え尽くした頃にはすっかり脱力し、ベッドへと倒れ込む。薄い胸は激しく上下し、その度に甘い吐息が、紅く艶やかに染まった唇から溢れ出す。
 
 ゾクリ
 
 俺は下半身へと熱が集まるのを感じる。嗚呼、早くこれをねじ込みたい。
 たまらず上に被いかぶさり、首筋へと喰らいつく。強く吸い付く度に、紅い花が咲き誇る。なんと美しい所有印だろう。俺が花弁を散らす度、伊織の体はビクビクと震え、熱い吐息が止めど無く溢れ出す。なんという感じやすい肉体。
 嗚呼、これ以上の刺激を与えたらどんな風になってしまうのだろう?
 服を引き裂き、首筋から胸まで丁寧にキスの雨を降らせ、ぷっくりと熟れた赤い膨らみを口に含むと遂に……
「ああッ!?」
あられも無い艶やかな声が飛び出した。
 その声がもっと聴きたくて刺激をたたみかけるように増やしていく。胸の膨らみを執拗にしゃぶりながら、下半身へと手を伸ばし刺激する。はち切れんばかりにズボンの中から主張をする熱を解放してやる。零れる半透明の蜜をたっぷりとまぶしながら、上下に擦りあわせる。
「あッン……あッ…あッ……ァアアアアアッ!!」
 ビクンッと全身が震え、白い熱い液体が溢れ出す。
「もう果ててしまったのか?まったく…、いやらしい体をしている……」
 だが、物足りない。
「もっと…、もっと声を聴かせろ」
 うつ伏せにさせると、先程吐き出させたばかりの白い液体をまぶした指を下の口へと侵入させる。
「ひッ……、嫌ッ…」
「嫌?それはおかしいな。お前の口はこんなにも…、もの欲しそうに俺の指に吸い付いてくるぞ?」
 ピチャピチャと…酷く淫猥な音をさせながら出し入れする。強く、激しく…時には焦らすように陵辱していく。
「はあッ…、あッ…、あッ……あッ…」
「ああッ…、もっとだ…もっと啼けッ!」
 柔らかくほぐした穴から、勢い良く指を抜くと、ヒクつく入り口がよく見えるように獣の姿勢をとらせ高々と双丘を上げさせる。ゆっくり、じっくりと味わいたかったが、俺自身が抑えきれない。滴り落ちる己の蜜を自身へと塗り付け、欲望の塊を一気に突き立てた。
「ぁあああああああああッ!!」
 俺を受け入れるに熟し切らないうちに侵入したので、伊織はたまらず絶叫するが、済まないと言う気持ちは全く涌かなかった。いや、それどころか俺の嗜虐心を煽るだけだった。
 まだ奥まで入り切らないのにも関わらず俺は動いた。
 絶叫が嬌声へと変わるにはさほど時間はかからなかった。
「あッ…、あンッ…、あンッ……」
 出し入れを繰り返し、無理矢理侵入する。嗚呼、嗚呼……、それのなんと気持ちが良い事か。まだすべて収まりきれないというのになんという快楽。思わず達してしまいたくなる。
 

 今宵は気の済むまで、俺の欲望を腹の中にぶちまけてやろう。

 

 朝にはリセットされる記憶。

 けれど、肉体には快楽の記憶が残るだろう。
 徐々に…、俺無しではいられないように躾けていこう。
 こんな状態で堕としてもつまらない。
 正気の時に、どこまでも堕としてやろう。
 
 
 嗚呼、嗚呼…。
 最早お前は俺の物だ。大人しく喰らい尽くされるがいい。
 
 
 
 
------------------------------------------------------
2006.09.12
うーん‥‥‥‥‥‥。こんな真田さんでもOKですか?
 

 

inserted by FC2 system