[自発的奉仕の誘発方法]
 
 
 
「えーっとさ、夜斗。何かオレに出来ることってあるかな?」
 
 どこか落ち着かない様子で僕に尋ねてくる順平。
 本人は気付いていないだろうが、頬が少しだけ朱を帯びて妙な色香を感じさせている。無邪気な子供っぽさとこの色気が僕の嗜虐心を煽る。
 自室のベッドでくつろいでいた僕は、ごろりと寝返りをうつ。内心にくすぶる順平にとっての不穏な考えとやらを悟られないよう、無表情とけだるさを装い、さして興味も無さそうに言葉を紡ぐ。
「ふぅん、ずいぶんと殊勝な心掛けだな。伊織」
 最近の僕は少々苛ついていた。
 それもこれも、妙に綾時と仲が良い所為だ。生来の女好きと明るく振る舞おうとするという共通点をもつ二人。出会って間も無い内に、まるでコンビでも組んでいるかのように息が合っていた。その光景を見る度に、後ろから蹴りを入れていたのだが、やっぱりその程度では気は晴れない。
 今日はあまりにも腹がたっていたので、順平には優しく接してやった。抱き着きついでの首絞め行為とか、僕にとっては軽いスキンシップは一切せず、タルタロスではリカバリーや補助に徹してやった。
 これはいわゆる自虐行為に相当したのだが、順平は物足りなかったらしく…。いや、あまりにも僕が優しいので不安になったのか、自ら僕へ奉仕をしようとしている。嗚呼、まったく。思いきり虐めたくなるじゃないか。
「そうだなぁ。見ての通り僕は今疲れきっている。だけどタルタロスで汗をかいたから風呂に入りたい。湯槽に浸かる程度の事はできるが、頭を洗うのがめんどい」
「オレが洗うのね……」
「その通りだ、伊織。じゃ、まず風呂の準備から。お湯を張ってくれ」
「え、自室でいいのか?」
「ああ、大浴場までいくのすら面倒だ。ここでいい」
 くれぐれも先輩には邪魔されたく無いからな。
 
 
 順平に用意させた風呂にゆったりと浸かる。
 昔、ホテルだった名残。この寮には、各自室にそのまま残るバスルームに、順平が僕の為に入れてくれた入浴剤の甘い香りが充満する。鼻孔をくすぐるジャスミンの香りと、心地良い頭部への刺激とで目を閉じる。
 順平に髪を洗ってもらうのは好きだ。アイツの細身の指先は意外と器用なのだ。ただ普段はその器用さを使っていないだけ。それを知っている僕は、わがままな子供を演じ、順平に世話を焼かせてその恩恵を味わう。
 僕の耳に湯が掛からないよう、まるで本職の美容師のように最新の注意をはらいながら泡を洗い流す。仕上げにコンディショナーを手に取り、ゆっくりと髪に馴染ませ洗い流して終わる。
「ほい、しゅーりょー」
 美容師っていうのも似合うかも知れないなと、ふと思った。
「お前も汗かいたろう。このまま入ったらどうだ?」
 けれど、お前は僕のだ。
「うん、そーするわ」
 何の疑問も警戒心も抱かず、僕の前で肌をさらす順平。
 湯を浴び、体を洗いだす順平を後ろから手伝ってやる。
「や……夜斗……」
「僕が洗ってやってるというのに文句があるのか?」
 ゆるゆると、卑猥さと正常さとの境界線を遊ぶ。いやらしく、そうとは感じさせないよう白い痩躯をなぞる。嗚呼、いやらしいことをされているというのは自分の勘違いだろうかと戸惑う表情が堪らない。壁に手をつき、必死でたえる姿がそそる。
 さて、そろそろ勘違いで無いことを教えてやってもいいか。
 小さめの尻。その割れ目に指先をいっきに突き挿す。
「ッ…………!?夜斗ッ」
 まんべんなく纏わせた泡の力を借りて、難無く侵入する。
 
「僕の為に何かをすると言ったのはお前だぞ。伊織」
 
 無遠慮にそして性急に、指を増やし滅茶苦茶にかき回す。淫猥な水音をさせながら、無理矢理蕾を開かせる。乱暴な行為でも徐々に感じはじめる体を持て余し、快楽から逃げようとする順平を逃がしてやるほどお人好しではない。
 立ち上がりはじめる順平自身を捕まえ、優しく刺激を与える。
 前と後ろからの快楽に体が耐えきれず、ほら動けない。ずるずると崩れ落ちそうになる体勢を利用して、はち切れんばかりに膨張した僕自身を埋め込む。
 
 
 さ、いっぱい啼いて僕を楽しませてくれ。
 
 
 
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2006.10.05
うーん、イジめ足りなかった。続かせるか…

 

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