まだ起きてはこれない克哉の為に、慣れない手つきで紅茶を用意する。
[Tea
color]
ティーサーバーの中でたゆたう上品な紅。
克哉のようだと…
うっとりと、先程まで見ていた姿を思い出す。
レースのカーテンから注ぐ、柔らかな朝日に照らされた克哉の髪は、綺麗な紅茶色をしていた。
「しまった…。少し濃く煎れすぎたかな?」
思いのほか長い時間、魅入ってしまっていた事に気がつき苦笑する。
ミルクティーにはこの方が良かったのだが、そこまでは知らなかった。
克哉がするように、あたためたカップに、金色に光るハチミツと牛乳を注ぐ。
みるみるうちに綺麗な紅色がにごってしまう様子を残念に思う。
けれど、これからまた本物を見ればいい‥と気持ちを切り替える。
さぁ、早くもっていってあげよう。
克哉の喜ぶ顔と、ほんの少しの打算を胸に達哉は紅茶を運ぶ。
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2006.08.24
眠気覚ましに紅茶を煎れていたら唐突にネタが降臨。
出勤前30分で書けた‥‥。恐るべし達克萌パワー!?